プロが教える「転職で履歴書の書き方」転職成功への第一歩!【最新版】

転職活動において、履歴書は企業があなたという人物を知る最初の窓口です。実際、人事担当者が履歴書に目を通す時間はわずか約20〜30秒と言われています。この短い時間であなたの魅力を伝え、面接への扉を開くことができるかどうかは、履歴書の書き方にかかっているのです。

転職市場が活発化している今日、競争率の高い求人には数百件の応募が集まることも珍しくありません。そのような環境で「あなたを選ぶべき理由」を明確に示せる履歴書を作成できるかどうかが、転職成功の鍵を握っています。

目次

転職活動における履歴書の重要性

この記事では、採用担当者の目に留まり、「会ってみたい」と思わせる転職用履歴書の書き方を、プロの視点から徹底解説します。2025年の転職市場に対応した最新の履歴書作成テクニックを習得して、理想の転職を実現しましょう。

転職用履歴書の基本

転職用の履歴書を作成する際には、新卒時とは異なるアプローチが必要です。ここでは転職用履歴書の基本を押さえておきましょう。

転職用履歴書の3つの目的

  1. あなたの経歴・キャリアを簡潔に伝える
    これまでの職務経験や実績を整理し、採用担当者が短時間で把握できるようにまとめます。
  2. あなたの強み・価値を示す
    単なる経歴の羅列ではなく、応募企業にとってあなたがどのような価値をもたらせるのかを示します。
  3. 面接につなげるきっかけを作る
    履歴書は「面接で会ってみたい」と思わせるためのツールです。詳細すぎず、かといって情報不足でもない、絶妙なバランスが求められます。

転職用履歴書作成の基本ルール

  • 読みやすさを最優先する
    文字の大きさ、行間、余白など、視覚的に読みやすい設計を心がけましょう。
  • 簡潔かつ具体的に記述する
    冗長な表現や抽象的な言葉は避け、具体的な実績や数字を用いることで信頼性を高めます。
  • 一貫性のある書式を保つ
    日付の書き方や箇条書きの形式など、書式の一貫性は専門性と几帳面さをアピールします。
  • 誤字脱字は絶対に避ける
    小さなミスでも「注意力に欠ける人材」という印象を与えかねません。必ず複数回のチェックを行いましょう。

転職用履歴書と新卒用履歴書の違い

転職用履歴書と新卒用履歴書には、重視すべきポイントに明確な違いがあります。この違いを理解することで、より効果的な転職用履歴書を作成できます。

項目転職用履歴書新卒用履歴書
重点職務経験・実績人柄・ポテンシャル
職歴欄詳細に記載簡易的または記載なし
学歴欄簡潔に詳細に記載
志望動機キャリアプランとの整合性企業研究の深さ
自己PR具体的な実績ベース学生時代の経験ベース

転職用履歴書では特に職務経歴に重点を置き、これまでの実績や習得したスキルを具体的に記載することが重要です。一方で学歴は、新卒時ほど詳細に書く必要はなく、最終学歴を中心にシンプルにまとめるのが一般的です。

転職用履歴書の書き方:各項目別ガイド

ここからは、転職用履歴書の各項目における具体的な書き方を解説します。各項目でのポイントを押さえ、採用担当者の目に留まる履歴書を作成しましょう。

基本情報の書き方

基本情報は履歴書の冒頭に記載される部分で、以下の項目を含みます:

  • 氏名(ふりがな)
  • 生年月日・年齢
  • 現住所
  • 連絡先(電話番号・メールアドレス)

ポイント:

  • メールアドレスは必ず記載し、携帯とPCの両方を書くとより確実です。
  • アドレスはビジネス用のものを使用し、「kawaii_neko」などのカジュアルなものは避けましょう。
  • 電話番号は日中連絡がつきやすいものを記載します。

学歴の書き方

転職用履歴書における学歴欄は、新卒時ほど詳細に書く必要はありません。

基本的な書き方:

20XX年3月 ○○大学△△学部□□学科 卒業

ポイント:

  • 高校以降の学歴を中心に記載します(中学校までは通常不要)。
  • 大学院卒の場合は、学部卒業と大学院修了の両方を記載します。
  • 中途退学の場合は「中退」と正直に記載しましょう。

職歴の書き方

転職用履歴書で最も重要なのが職歴欄です。以下のポイントを押さえて記載しましょう。

基本的な書き方:

20XX年4月 株式会社○○○ 入社
     ○○部○○課に配属
20XX年7月 △△プロジェクトリーダーに就任
20XX年4月 □□部へ異動
20XX年3月 同社退職

ポイント:

  • 入社・退社の年月は正確に記載します。
  • 部署名や役職の変更など、キャリアの節目となる異動も記載しましょう。
  • 職務内容の詳細は「職務経歴書」に記載するため、履歴書では簡潔に留めます。
  • 退職理由は通常記載しません(面接で質問された際に答える内容です)。

転職が多い場合の書き方: 転職回数が多い場合は、その理由が明確に伝わるよう工夫しましょう。例えば、業界再編や会社の統廃合による転職なら、「会社合併に伴い○○株式会社へ転籍」などと記載すると良いでしょう。

資格・スキルの書き方

応募職種に関連する資格やスキルは、具体的に記載しましょう。

ポイント:

  • 資格は取得年月とともに記載します。
  • 外国語スキルは「TOEIC 850点(2024年6月取得)」など、可能な限り客観的な指標を用いて記載します。
  • IT系スキルも、可能な限り具体的なツール名やバージョン、経験年数を記載すると良いでしょう。

志望動機の書き方

志望動機は、なぜその企業・職種を志望するのかを明確に示す重要な項目です。

効果的な志望動機の構成:

  1. これまでのキャリアで培ってきたスキル・経験
  2. 転職を考えるようになった理由(前向きな表現で)
  3. 応募企業・職種で実現したいこと
  4. 自分のスキル・経験がどう貢献できるか

ポイント:

  • 応募先企業の事業内容や強みを調査し、それに対する理解を示しましょう。
  • 「給与が良いから」「通勤時間が短いから」などの自己都合は避けます。
  • 具体的な貢献イメージを示すことで、採用後のミスマッチを防ぎます。

志望動機の例:

前職では製造業向けSAP導入プロジェクトでリーダーを務め、クライアントの業務効率化に貢献してきました。貴社が推進するDX支援事業に強く共感し、より幅広い業界のクライアントに価値を提供したいと考え応募しました。特に製造業での業務知識とERPシステム導入経験を活かし、貴社のプロジェクト成功率向上に貢献できると考えています。

自己PR・アピールポイントの書き方

自己PRは、志望動機と合わせて採用担当者の印象に残る重要な項目です。

効果的な自己PRの構成:

  1. 自分の強み(キーワード)
  2. それを示す具体的なエピソード・実績
  3. その強みを応募先でどう活かせるか

ポイント:

  • 抽象的な表現は避け、具体的なエピソードや数字で裏付けましょう。
  • 「課題発見力」「リーダーシップ」など、応募職種に関連するキーワードを用いるとより効果的です。
  • 長すぎる自己PRは読まれない可能性があるため、200〜300字程度に収めましょう。

自己PRの例:

私の強みは「困難な課題に対する解決力」です。前職では赤字続きだった○○事業のマーケティング戦略を見直し、6か月で黒字化を実現しました。具体的には、顧客データ分析に基づきターゲット層を再定義し、費用対効果の低い広告を停止して新たなデジタルマーケティング施策を導入。結果、広告費30%削減と同時に売上15%増を達成しました。貴社でもこの経験を活かし、マーケティング課題の解決に貢献したいと考えています。

職種別・業界別の履歴書作成ポイント

応募する職種や業界によって、履歴書で強調すべきポイントは異なります。ここでは主要な職種・業界別のポイントを解説します。

営業職の履歴書

  • 数字で実績を示す:「前年比120%の売上達成」など、具体的な数値で営業成績を記載
  • 営業プロセスの強み:新規開拓、既存顧客深耕、提案力など、得意な領域を明確に
  • 業界・製品知識:特定業界や製品に関する専門知識があれば記載

エンジニア・IT職の履歴書

  • 技術スタック:使用言語、フレームワーク、ツールなどを経験年数とともに記載
  • プロジェクト実績:担当した主要プロジェクトの規模、役割、成果を簡潔に
  • 資格・認定:AWS認定資格やベンダー資格など、技術力を証明する資格

管理職・マネジメント職の履歴書

  • マネジメント規模:部下の人数、予算規模などを具体的に
  • 組織改革実績:生産性向上、離職率改善など、組織に与えたポジティブな影響
  • 経営視点:P/L責任や経営企画経験など、広い視野を持つことをアピール

医療・介護職の履歴書

  • 臨床経験:診療科目や施設種別ごとの経験年数を明確に
  • 専門資格:認定看護師や専門医などの資格
  • 症例数・特殊技能:特定の治療や手技に関する経験数

クリエイティブ職の履歴書

  • ポートフォリオとの連携:作品集のURLやQRコードを記載
  • 使用ツール:Adobe製品など、習熟しているソフトウェア
  • 受賞歴・掲載実績:コンテストやメディア掲載など外部評価

転職用履歴書の書式と提出形式

履歴書の書式と提出形式は、応募先企業によって異なります。一般的なパターンとその特徴を理解し、適切に対応しましょう。

主な履歴書の書式

  1. JIS規格の履歴書
    最も一般的な形式で、市販の履歴書用紙やダウンロード可能なテンプレートが多数あります。オーソドックスで無難な選択です。
  2. 自由形式の履歴書
    IT業界や外資系企業など、一部の業界では自由形式の履歴書を受け付けています。Wordやエディタなどで自作する場合は、基本情報を漏れなく記載し、読みやすさを重視しましょう。
  3. Web履歴書
    採用サイトやリクルートメントシステム上で直接入力する形式です。文字数制限がある場合が多いため、簡潔な文章で要点を押さえることが重要です。

提出形式による注意点

  1. 紙の履歴書
    • 手書きの場合は黒のボールペンを使用(消えるボールペンは不可)
    • 折り目がつかないよう、専用の封筒で送付
    • 写真は最近3ヶ月以内に撮影したものを使用
  2. PDFの履歴書
    • ファイル名は「履歴書_氏名」など分かりやすいものに
    • 解像度が低すぎず高すぎず、適切なファイルサイズに調整
    • 写真はスキャンではなくデジタルデータを直接挿入するとより鮮明
  3. Webエントリーフォーム
    • コピー&ペーストするテキストは事前にWordなどで作成・保存しておく
    • 文字数制限を確認し、要点を絞った内容に
    • 入力途中でタイムアウトしないよう注意

履歴書に添付する写真の選び方

履歴書の写真は、第一印象を左右する重要な要素です。適切な写真を選ぶためのポイントを押さえましょう。

適切な履歴書写真の条件

  • サイズ:JIS規格履歴書なら縦4cm×横3cm(パスポートサイズ)
  • 撮影時期:直近3ヶ月以内のもの
  • 表情:自然な笑顔(作り笑いは避ける)
  • 服装:応募職種に合わせたビジネス適切な服装
  • 背景:無地(白や青が一般的)

写真撮影時の注意点

  • 前髪:目にかからないようにする
  • メイク:ナチュラルメイク(派手な化粧は避ける)
  • アクセサリー:控えめにする(大きな輪のピアスなどは避ける)
  • 眼鏡:普段使用している場合は装着可(サングラスは不可)

プロのスタジオvs証明写真機

プロのスタジオ写真の利点:

  • 適切な照明とポージングでベストな表情を引き出せる
  • 衣服のシワや髪型を整えてもらえる
  • 撮影後の修正が可能

証明写真機の利点:

  • 手頃な価格で即日入手可能
  • 最近の高性能機種なら十分な品質が得られる

どちらを選ぶにせよ、重要なのは清潔感と信頼感を与える写真であることです。特に管理職やクライアント対応の多い職種では、写真の印象が採用に影響することもあります。

よくある転職用履歴書の書き方の失敗とその対策

履歴書作成でよくある失敗を理解し、回避することで、採用担当者の目に留まる履歴書を作成できます。

主な失敗例と対策

失敗例対策
職務経歴が浅すぎる具体的な実績や数字を盛り込み、質で補完する
抽象的な表現が多い「チームワークが得意」→「10人チームのリーダーとして売上20%増を達成」など具体化
応募職種との関連性が低い異業種・職種転換でも応用可能なスキルや経験をピックアップ
長すぎる記述要点を絞り、1つの文章は40字程度を目安に
誤字脱字複数回の確認、可能なら第三者にチェックを依頼

転職の”デリケートな事情”への対応

職歴の空白期間

  • 半年以内の空白なら年月のみの記載でカバー可能
  • 長期の場合は「スキルアップ期間」「家族の介護」など事実に基づく理由を簡潔に

短期離職が多い場合

  • 可能な限りポジティブな成長ストーリーとして説明できるよう準備
  • 「プロジェクト完了に伴う契約終了」など、やむを得ない理由があれば明記

降格・左遷経験

  • 役職名の変更は正直に記載
  • 職務内容や責任範囲に焦点を当て、学んだことや成長をアピール

転職エージェントが教える履歴書チェックリスト

プロの転職エージェントが実際に使用している履歴書チェックリストを紹介します。自分の履歴書が完成したら、以下の項目をチェックしてみましょう。

基本情報チェック

  • [ ] 氏名、住所、連絡先に誤りはないか
  • [ ] 電話番号・メールアドレスは日中連絡がつくものか
  • [ ] 写真は適切なものを使用しているか

形式・体裁チェック

  • [ ] 書式は統一されているか(日付表記など)
  • [ ] 誤字脱字、文法ミスはないか
  • [ ] 句読点の使い方は適切か
  • [ ] 適度な余白があり、読みやすいレイアウトか

内容チェック

  • [ ] 職歴の空白期間はないか(あれば説明を準備)
  • [ ] 経歴は時系列順に整理されているか
  • [ ] 応募職種に関連するキーワードが含まれているか
  • [ ] 具体的な実績や数字が記載されているか
  • [ ] 志望動機は応募企業・職種に合致しているか
  • [ ] 自己PRは具体的なエピソードで裏付けられているか

最終チェック

  • [ ] 第三者(友人や家族)に読んでもらったか
  • [ ] 印刷した状態で確認したか(レイアウトの崩れなど)
  • [ ] 応募要項で指定された内容はすべて含まれているか

履歴書作成サービスの活用法

様々な履歴書作成サービスが存在します。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて活用しましょう。

主な履歴書作成サービス

1. 転職サイト・エージェントの履歴書作成支援

  • 転職のプロからアドバイスを受けられる
  • 無料で利用できることが多い
  • 業界・職種に特化したノウハウを得られる

2. 履歴書作成アプリ・Webサービス

  • テンプレートが豊富で形式を統一しやすい
  • クラウド保存で複数端末から編集可能
  • 一部機能は有料の場合も

3. 履歴書添削サービス

  • プロによる客観的なフィードバックが得られる
  • 有料だが転職成功率向上に効果的
  • 業界・職種に特化したサービスもある

サービス選びのポイント

無料サービスの活用

  • 基本的なテンプレートや書き方ガイドを参考にする
  • 複数のサービスを比較し、自分に合ったものを選ぶ
  • 無料期間を活用して機能を試してみる

有料サービスを検討すべき場合

  • ハイクラス転職(年収800万円以上)を目指す場合
  • 異業種・異職種への転職で自己アピールが難しい場合
  • 長期ブランクから復帰する場合

費用対効果の考え方

  • 転職によるキャリアアップや年収アップを考えれば、数万円の投資は十分回収可能
  • ただし、サービス選びは口コミや実績を確認してから判断を

転職用履歴書Q&A

転職者からよく寄せられる履歴書に関する質問とその回答をまとめました。

Q1: 職歴が多い場合、すべて記載すべきですか?

A: 基本的には直近10〜15年程度の職歴を中心に記載し、古い職歴は「2005年以前の職歴は割愛」などと記載しても問題ありません。ただし、応募職種に直接関連する経験であれば、古くても記載する価値があります。

Q2: アルバイトやパート経験も職歴に含めるべきですか?

A: 正社員経験が豊富な場合は通常不要ですが、以下のケースでは記載を検討しましょう:

  • 正社員経験が少ない場合
  • アルバイト・パートでも応募職種に関連するスキルを習得した場合
  • 長期間(1年以上)継続して勤務した場合

Q3: 転職理由は履歴書に書くべきですか?

A: 通常、履歴書に転職理由を記載する必要はありません。これは面接で質問されることが多いトピックです。ただし、応募フォームで明示的に求められる場合は、ポジティブな表現で簡潔に記載しましょう。

Q4: 現職在籍中の場合、退職予定日はどう書けばいいですか?

A: 「現在勤務中(退職予定:応相談)」と記載するのが一般的です。内定後に退職時期を調整することを前提としています。

Q5: 英文履歴書(レジュメ)と日本の履歴書の違いは?

A: 主な違いは以下の通りです:

  • 英文レジュメは1〜2ページに収めるのが一般的
  • 写真添付は通常不要
  • 年齢や家族構成など個人情報は記載しない
  • 「Career Objective(キャリア目標)」を冒頭に記載することが多い
  • 職歴は逆時系列(最新の経験から)で記載

Q6: Web履歴書と紙の履歴書、どちらを優先すべき?

A: 応募要項で指定がある場合はそれに従い、指定がない場合は以下を目安にしましょう:

  • 大企業・伝統的な業界→紙の履歴書が無難
  • IT・ベンチャー・外資系→Web履歴書が一般的
  • 両方提出可能なら、両方用意しておくと万全

効果的な転職用履歴書で内定獲得へ

効果的な転職用履歴書の作成は、転職成功への重要なステップです。この記事で解説したポイントを押さえ、あなたの強みを最大限にアピールする履歴書を作成しましょう。

SHARE
目次